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失速時にもプロペラ後流を主翼に当てて方向転換、これこそがトラクタ機の矜持


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機材の話。 Zenzanon MC 80mm F2.4 はその筋では有名な、オールドブロニカ用の大口径標準レンズ。


ところで、ブロニカS2やEC用のゼンザノン銘のレンズ群は、優れたいくつかのメーカーからのOEM(外注みたいなもん)で形成されていて、百花繚乱の様相を呈している。


たとえば、入手以降わたしの「勝負レンズ」の座に君臨し続けている Zenzanon 100mm F2.8 は、東京光学製。Zenzanon MC 80mm F2.8 はカールツァイス・イエナ製。そしてこの F2.4 は富岡光学製、・・・だと言われてきた。でも、どうやらそれは違うらしい。


ブロニカファンなら誰もが通る道とも言うべき、有名な某サイトで、この 80/2.4 は、ゼンザノン銘の 40/4、50/2.8 と同様にノリタ光学製である可能性が高いらしいことが、最近指摘された。鏡筒が完全に同一であること、そして当時の技術者の証言などが、証拠として挙げられている。


富岡とノリタ、たぶんブランドイメージは差があるのだろう。富岡と言えばなんと言っても、銘玉揃いのヤシノン、そしてその後コンタックスを生産したことが有名で、富岡製と言えば、日本のカメラ業界にあって一輪の百合のような綺麗な印象を喚起する。


・・・という背景が、この噂をまことしやかに敷衍することに、一役買っていただろうことは間違いないだろう。「富岡製ならこのレンズを使ってみたい」、・・・という心理的流れは、「ツァイス(ライツ)なら」というやつと、ほとんど変わりはない。わたしは別にそういうブランド信仰を否定するものでもないけれど、とにかくこのゼンザノンの 80/2.4 について、どこかの時点で「ノリタ製」が「富岡製」へとすり替わった、その欲望の構造が興味深い。


そして、付け加えるとすれば、「ノリタ製」だとわかった時点で、わたしは是非このレンズを使ってみたいと思ったのだった(相変わらずの天の邪鬼)。


もうひとつの伏線は、わたしの Nikkor-H.C 75mm F2.8 へのもやもやする思いがある。この子はとても優秀でコントラストもがっつりつくのだけれど、ボケが固くて線が太い。最近のわたしの、ふゆんほよんとしている気持ちとはちょっとズレが大きすぎる気がして。なので、100mm よりも短めの標準域で何か無いかしらと思っていて、最初は東京光学製のゼンザノン 75/2.8 を探していたのだけれど、あんまり、無い(あっても高価)。それでもうひとつ別のラインで網を張っていたところに、この子がかかったという感じ。


描写はとてもいい感じ。ゼンザノン100と、ニッコールHC75を、足して二で割った感じ。中判で F2.4 というと、35mm判で F1.2 を切るくらいのイメージではないかと思う。そんな大口径なのに、線はほどほどに細くて、コントラストもついて、ボケもニッコールよりずっとやわらか。優等生だなあ。ゼンザノン100のファーストロールを現像したときほど、衝撃があるわけではないけれど、すごく気に入っている。


これからもブロニカな感じ。


クレーピイッルーポ。

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コメント:4

2009年10月12日 19:31 返信

Zenzanon 100mmの弱点は最短距離が1mな事ですね。私の100mmはイストから錆と部品の底払いにより修理不能でした。なのでメインレンズは80mmf2.4にしています。75mmH.Cは持っていませんが、写真から判断しますとボケが硬いと私も思っています。

2009年10月12日 20:14 返信

ノリタ製でしたか。
知り合いがノリタ66を使っていますが、そのレンズともまた違った趣ですね。

>ゼンザノン100と、ニッコールHC75を、足して二で割った感じ。

これ、まったくそうですよね。
個人的にはどかさんがゼンザノン100で撮る写真がダントツに好き。
あのレンズのためだけにブロニカ手に入れそうでした。
自分の中判もあれを基準にするとかなり不満に思ったりします。
でも、標準域を求めるのも分かります。

いいの手に入れましたねとしかいいようが・・・(笑)

2009年10月13日 00:07 返信

> のぶサン、

そう、Z 100/2.8 は最短距離が長めですよね。
あと、あのレンズはすごくクモリやすいガラスを使っているらしくて、
そこも欠点といえば欠点ですよね。

イストでも修理できなかったのですか、・・・ご愁傷様です。
Z 80/2.4 はメインとしてじゅうぶん機能しますよね、
最短撮影距離だけじゃなく、画質的にも汎用的にも、
守備範囲は Z 100/2.8 を凌ぐレンズではないかと。

N 75/2.8 HC は珍しいレンズだし、
もっとしっかり使いこなしたいのだけれど、
・・・これはもう、好みの問題ですよね。
たぶんわたしはいわゆるニコン的な固さと相性が良くないのかと。

2009年10月13日 00:16 返信

> すらいサン、

・・・そう、ノリタ製だったのです。
おっしゃるとおり、ノリタ66の、伝説のハイスピードレンズ、
80mm F2 と、関連があるとか、ないとか、
ブロニカのマウントでは F2 が無理だからこうなったとか、
そういう話もあるみたいなのです。

Z 100/2.8 の写真、お褒めいただきありがとうございます。
わたしもいまのところ、自分でもこのレンズの描写がいちばん好きです。
うっとりするくらい細やかな線が画面を覆っていくのを見るのは、
甘美な経験です。。。
N 75/2.8 HC 、なんとか使いこなしたいのですけど、
うーん、トライXでざらついたドキュメンタリなスナップなら、
バチッとはまりそうな気がしますね。
ただ、いかんせん、その作風でいく体力や気力が。。。(苦笑

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